認知をした場合、戸籍上に父親の名前が載ることになり、法的な親子関係が結ばれます。
これと同時に、親子関係に基づいて様々な権利義務が発生します。
以下では、認知をした場合のメリット・デメリットについて説明していきます。
■認知をするメリット
・養育費の支払いを請求することができる
認知によって、父子の間には法的な親子関係が結ばれるため、父親には子どもの扶養義務が発生します。
一般的に、認知が必要となる場合、父母は別居していることがほとんどとなります。この際に父母は子どもを育てていくために必要となる監護費用を分担します。
多くの場合、非嫡出子の監護権者は母親となるため、母親は子どもが成人するまでの養育費を父親に請求することができます。
養育費の支払いは法的な義務となっているため、父親はこれを拒否することはできません。
なお、養育費は長期的に継続して支払いを行なっていくこととなります。したがって、養育費支払いの不履行などに備えて、強制力のある公正証書契約によって取り決めておくことで安心して子どもを育てることができます。
・相続権を獲得することができる
認知をすることで、子どもに父親の遺産相続権が認められます。
平成25年の改正によって非嫡出子である子どもであっても、嫡出子と同等の相続分での相続が認められました。
また、父の死後に認知されて新たに相続人となった場合、すでに遺産分割が済んでいる場合であっても、他の同順位である共同相続人に対して価額による支払い請求をすることができます(民法910条)。
なお、父親が多額の負債を抱えていて、相続のメリットがないと判断した場合は、相続放棄もすることができます。
■認知をするデメリット
認知をする場合に、デメリットとなることはほとんど無いといってもいいでしょう。
強いていうのであれば、子どもが成人した後に父親を扶養する義務があるということです。
子どもは父親の生活が困窮している場合、父親の生活を扶助しなければなりません。
もっとも、子どもの生活に支障のでない程度の範囲内での義務になるため、万が一の場合でも、深刻なデメリットとなることはないでしょう。
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認知のメリットとデメリット
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