離婚は、基本的に夫婦の合意があって成立します。
とはいえ、当事者の一方が離婚に応じず、話し合いも拒否するといったようなケースも考えられます。
このような場合、別居することによって最終的に離婚できる可能性があります。
今回は別居期間が何年あれば離婚が成立するのかについて考えていきたいと思います。
離婚するときに別居期間が重要な理由
離婚するときに別居期間が重要となる理由は、最終的に、相手方の同意なく離婚できる事由になりえるからです。
夫婦には、仕事や里帰り出産など止むを得ない事情をのぞき、同居する義務があります。
特別な事情なく、別居状態が続いた場合、「実質的に婚姻関係が破綻した状態」とみなされる可能性があります。
婚姻関係が破綻しているとは、夫婦関係が修復できないほど壊れていることを指し、法律上、裁判で離婚できる事由となっています。
配偶者が離婚を拒否し続けた場合でも、長期間の別居によって婚姻関係の破綻していることを主張し、それが裁判所に認められれば、離婚を成立させることができます。
これが離婚において、別居することが有力な手段といわれているひとつの理由です。
離婚が成立する別居期間は婚姻期間などによる
別居している夫婦の関係が破綻状態と認められる別居期間の長さは、「〇年別居すれば必ず認められる」というわけではありません。
婚姻期間の長さや別居中の夫婦の交流の有無、生活状況などさまざま考慮されます。
とはいえ、一定の目安は存在しないというわけではなく、3年から5年といわれています。
ただし、婚姻期間が3年以内と短い場合には、目安よりも短い期間で認められることもありますし、反対に婚姻期間が20年以上の夫婦の場合には、目安よりも長く別居しないと認められないこともあります。
そのため、実際に離婚が認められる別居期間は夫婦によってケースバイケースだといえます。
裁判などを経なくても別居すると離婚が成立しやすい傾向にある
令和4年度に厚生労働省が公表した「離婚に関する統計」によると、別居した夫婦のうち約8割が、別居から1年以内に離婚が成立しているというデータがあります。
物理的な距離をとることによって、離婚条件を冷静に話せる可能性が高くなるといえます。
まとめ
今回は、何年間別居期間があれば離婚が認められるのかについて考えていきました。
夫婦関係の破綻が認められ、離婚できる別居の期間は、一般的に3年から5年程度といわれています。
とはいえ、実際には状況によって異なるため、詳細については弁護士に相談することを検討してみてください。