婚姻外で生まれた子どもがいるが、自身の収入だけでは養っていくことが難しいため、父親である男性に対して養育費を請求したい場合に、認知は必要となるのでしょうか。
本稿では、養育費の請求に認知が必要かについて解説をしていきます。
認知について
認知とは、非嫡出子に対して法律上の親子関係を発生させるための手続きのことを言います。
非嫡出子とは、結婚していない夫婦の間に生まれた子どものことを指します。
非嫡出子は、父親との間で法律上の親子関係が存在せず、相続権や扶養義務についても発生しません。
そのため、認知の手続きを経なければ、法律上の親子関係を発生させることができません。
認知には「任意認知」と「強制認知」の2種類があり、任意認知は、親が自発的に行う認知のことを指し、遺言によっても行うことができます。
強制認知は、家庭裁判所の審判や認知の訴えの判決に基づいて、強制的に認知の効力を発生させるものです。
養育費の請求に認知は必要か
上記で、非嫡出子については扶養義務が発生しないという話をしました。
扶養義務が発生しないということは、父親側としては、養育費の支払いを拒むことができるということです。
そのため、養育費の請求には認知が必須の条件となります。
もっとも、父親が養育費を支払うことに合意をしている場合には、認知の必要はありません。
養育費支払いの合意によって、養育費を支払う契約上の義務を負うこととなるからです。
父親に子どもを認知させるには
父親に子どもを認知させるには、任意認知もしくは強制認知の手続きをとる必要があります。
もっとも、養育費の支払いを拒否しているような場合には、任意認知をするとは考えられないため、強制認知をさせる必要が出てきます。
民法787条では、親が認知を拒否している場合には、子の法定代理人が認知の訴えを提起することができる旨を定めています。
そのため、訴えによって認知の効力を得ることとなります。
もっとも、認知の訴えには調停前置主義が原則として適用されるため、まず訴訟を起こす前に、家庭裁判所に認知調停の申し立てを行わなければなりません。
もし、この調停の段階での話し合いにおいて、父親が認知をすることに合意をし、家庭裁判所が調査の上で合意が正当と認めた場合には、合意に相当する審判がなされ、強制認知が成立することとなります。
話し合いが成立しなかった場合には、認知の訴えを提起することで、判決によって認知を求めることとなります。
認知に関するご相談は目黒総合法律事務所にお任せください
婚姻外で生まれた子どもの養育費の請求は、弁護士にまず相談したほうが良いです。
その理由として、父親側との養育費の交渉や認知についての話し合いが非常に大きなストレスとなることが挙げられます。
また、収入面についてもアンバランスとなっていることが多く、この場合には適正な養育費を請求する必要が出てくるため、交渉のプロである弁護士に相談するのがベストな方法と言えます。
目黒総合法律事務所では、非嫡出子の養育費請求だけではなく、通常の養育費の請求などについても専門的に取り扱っておりますので、現在お困り方はお気軽にご相談ください。