未婚の相手に対して、養育費の支払いを請求するためには、まずは相手が自分の子を認知することが不可欠です。「認知」とは、自分の子であると認め、戸籍に記載することをいいます。認知により父子関係が形作るわけです。
ただ、養育費の請求のために子を認知するとなると、認知する者は自発的に認知をしない場合も考えられます。認知には任意認知と強制認知があり、前者は認知者の自発的な認知であり、後者は子(またはその直系卑属や法定代理人など)を原告・父を被告とした裁判による強制的な認知(家事事件手続法277条)になります。
こうして認知がなされた後に養育費について定めを置くことができます(民法788条)。養育費に関して月々いくらと定めたとしても、実際に払ってくれない場合もあります。このときは、認知者の財産を差し押さえることによる強制執行を行うことができます。ただし、養育費支払いの強制執行のためには確定判決や公正証書といった債務名義(民事執行法22条)を取得している必要があります。いったん強制執行が開始されると、将来支払わなければならない養育費も執行することができます(民事執行法151条の2第1項3号)。
このような手続きを経て未婚の相手に対して養育費を請求することになります。ここで注意すべきは、養育費の請求のために必ずしも父母の間の婚姻は必要ないということです。
養育費の相場など、養育費に関してご相談があれば目黒総合法律事務所までお問い合わせください。
未婚の相手に養育費を請求するには
弁護士 押見和彦(目黒総合法律事務所)が提供する基礎知識
-
認知とは
■認知とは 認知とは、婚姻関係にない男女から生まれた子どもを父または母(一般的には母)が自身の子である...
-
【年収300万円の場合...
離婚を考えたときに、子どもへの養育費がいくらになるのかを気にする方は多いのではないでしょうか。 離婚し...
-
養育費に関する取り決め...
離婚時に、子どもの生活の安定を図るために、養育費の取り決めをすることが非常に重要です。 しかし、協議離...
-
親権と監護権
■親権 「親権」は、「身上監護権」と「財産管理権」の二つの権利のことをいいます。 「身上監護権」とは、...
-
強制認知にかかる費用や...
●強制認知にかかる費用やメリット・デメリット ■強制認知とは 子供の父親が任意に認知をしない場合に、子...
-
認知に関する相談を弁護...
認知(任意認知)は基本的には、認知する親(相手)の意思に基づいて行われますが、どうしても相手が認知に応...
-
養育費が減額される場合
養育費が、子どもの育児をするための費用として実態が合わなくなってきた場合、養育費の減額請求が出来る場合...
-
浮気相手に慰謝料を請求...
浮気・不倫による慰謝料の相場は、数十万円から300万円程といわれます。 もっとも、配偶者の浮気相手に慰...
-
DV防止法の分かりやすい解説
■DVとは DVとは、ドメスティックバイオレンスの略称であり、日本語では家庭内暴力と訳されることが多い...