子どもの戸籍は結婚して新たな戸籍を作るまで、親の戸籍に入っています。親が離婚した場合、基本的には戸籍筆頭者でない側が除籍されるだけで、子どもの名前はそのまま残ります。したがって、母親が親権者であっても、親権者と一緒に子どもも新しい戸籍に自動的に移るわけではありません。
以上の理由から、婚姻によって氏を改めた親が親権者となり,子どもを自分の戸籍に入れたい場合には,家庭裁判所に対して「子の氏の変更許可(民法791条)」を申し立てて,子どもの氏を自分の氏と同じにする必要があります。
手続きには姓の変更申し立てと入籍届の2つの段階があります。
(大前提として、子どもが15歳未満の場合、手続きが行えるのは法定代理人である親権者になります。)
■変更申し立て
子どもの戸籍を移したい場合、まずは子か親権者の住所地の家庭裁判所に、子の氏の変更許可の申立をします(民法791条)。申し立ては「子の氏の変更許可書」を記入して、裁判所に提出します。
■入籍届の提出
家庭裁判所から許可審判書をもらったら、次は子どもの本籍地か、子または親権者の住所地の役所で入籍手続きを行う必要があります。家庭裁判所による子どもの氏の変更許可のみでは氏の変更の効力は生じないため、子どもが親の戸籍に入籍する旨の届け出までしなければならないことに注意が必要です。
なお、夫婦の離婚後、母と同じ氏に改めた子どもが成年になったときは、1年以内に市区町村役場に、戸籍法の定める届け出をすれば、家庭裁判所の許可なく、元の氏に戻ることができます。
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離婚後の氏と戸籍
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