離婚をする方法には、協議離婚のほか、調停離婚や裁判離婚があります。
裁判による離婚を考える場合、その費用の負担者が誰であるかといったことや訴訟費用を支払えない場合に取りうる手段があるのかといった点について、不安を覚える方が多いことと思います。
そもそも離婚裁判とはどのようなものなのであり、費用の負担者は誰なのでしょうか。
また、訴訟費用が支払困難である場合、どのような対応をとるべきなのでしょうか。
以下で詳しく解説していきます。
離婚裁判とは
夫婦が離婚する場合、通常は夫婦間の協議によって離婚手続が行われます。
これに対して、夫婦の一方が協議に協力しようとしなかったり、協議を行ったけれども合意に至らなかった場合には、調停によって夫婦双方が合意できる離婚内容を定めていきます。調停では、裁判所が介入して客観的・中立的な立場から助言を行うことによって、当事者夫婦間の合意形成を目指していきます。
この調停によっても合意形成がされない場合には、夫婦は家庭裁判所に離婚訴訟を提起し、判決による離婚の成立を求めることになります。この裁判が離婚裁判です。
離婚裁判の流れ
離婚裁判手続は以下のような流れで行われます。
- ⑴離婚裁判の申立て
- ⑵第1回期日の指定と、期日呼出状・訴状の送達
- ⑶答弁書の提出
- ⑷口頭弁論期日
- ⑸証拠調べ
- ⑹判決の言い渡し
- ⑺控訴(必要に応じて)
- ⑻離婚届の提出
離婚裁判の費用の相場
離婚裁判の訴訟提起時には、主に郵便局で購入することができる収入印紙(13000円~)が必要です。
印紙代の価格は、慰謝料を請求するかどうかや請求する慰謝料額、財産分与や養育費を請求するか、養育費を請求するとして何人分請求するか、面会交流を請求するかによって変動し、請求が多くなるほど必要となる印紙代も高額になります。
その他、郵便切手代(約6000円)や証人等の旅費・日当、戸籍謄本を準備するための費用などが別途必要です。
また、弁護士に依頼して離婚裁判を行う場合にはさらに弁護士費用も必要です。
離婚裁判の費用は誰が支払う?
離婚裁判の費用は大きく⑴訴訟費用と⑵弁護士費用に分けられます。
このうち、⑴訴訟費用に関しては、訴えの提起に際して原告側が一旦支払います。
もっとも訴訟費用の分担は、判決時に裁判官が当事者間の訴訟費用の負担割合を決定します。
そのため、負担割合の内容によっては、原告側が一旦支払った訴訟費用相当額の一部または全部を被告に請求することができる場合があります。
これに対して、⑵弁護士費用は原則原告負担となります。
もっとも、被告側の不貞行為によって離婚する場合などには例外的に被告に弁護士費用を請求することができる場合もあります。
離婚裁判の費用が支払えない場合にするべきこと
離婚裁判の費用が支払えない場合には、⑴法テラスの利用と⑵訴訟救助制度の利用という2つの方法を検討することになります。
- ⑴法テラスの利用
- 法テラスとは、正式名称を「日本司法支援センター」という、国が設立した法律相談窓口のことをいいます。
法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用することで離婚裁判費用が抑えられる可能性があります。 - ⑵訴訟救助制度の利用
- 裁判所に、支払いを判決まで猶予してもらうことを訴訟救助といいます。
訴訟救助制度の利用のためには、訴訟費用が支払えないほど生活が困窮していることを示す資料を裁判所に対して提出し、訴訟救助の申立てを行うことが必要です。
離婚に関する問題は目黒総合法律事務所にご相談ください
今回は、離婚裁判やその費用について解説していきました。
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