みなさんは、「認知調停」という言葉をご存知でしょうか。
認知調停は親子関係の存在・不存在について発生したトラブル解決のための有効な手段ですが、どのような手続きの流れを踏むのかなどといった具体的な内容についてはあまり周知されていません。
そもそも認知調停とはどのようなもので、手続きはどのように進んでいくのでしょうか。
以下で詳しく解説します。
認知調停とは
婚姻関係にない父と母の間に出生した子を父が認知しない場合には、子や子の直系卑属、子または子の直系卑属の法定代理人が父を相手として、認知を求める家庭裁判所の調停手続きを利用することができます。
この調停のことを認知調停といいます。
認知調停において、当事者間で子が父の子であるという合意ができた場合、家庭裁判所は必要事実の調査を行い、その合意が正当であると認められれば、かかる合意に従った審判を行います。
認知の効果は子の出生の時にさかのぼって法律上の親子関係を生じさせるものであり、認知調停によって認知がなされた場合にも同様の効果が発生します。
認知調停の申立てとは
認知調停を行うためには、申立人から認知調停の申立てを行う必要があります。
申立先は原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。
また、この申立てを行うことができるのは、子や子の直系卑属又はこの直系卑属の法定代理人に限られます。
申立ての際には、申立書に加えて、子や相手方の戸籍謄本等の書類が必要です。
書類の他にも、金銭的なものとして、収入印紙(1200円分)や郵便切手(960円)、DNA鑑定費用(10万円程度)が必要となるため、こちらも準備が必要です。
認知調停の手続きの流れ
認知調停手続きは以下のような流れで行われます。
- ⑴話し合い
- 認知調停手続きでは、まず、相手方が子との親子関係を認めるかどうかにつき、話し合いを行います。
この話し合いは、申立人と相手方がそれぞれ交代で調停委員と行います。 - ⑵DNA鑑定の実施
- ⑴の話し合いで申立人と相手方が合意を形成した場合や相手方がDNA鑑定に同意をした場合、裁判所によってDNA鑑定が行われます。
- ⑶審判
- DNA鑑定の結果、相手方と子との間に親子関係が認められた場合、裁判所は当事者が親子関係の存在につき合意を行っていることを条件として、これに沿った審判を行います。
認知調停が不成立になった場合の対処法
当事者間での合意が形成できる見込みがない場合や、成立した合意内容が相当ではない場合には、認知調停は不成立となります。
このような場合、申立人は相手方に対して認知の訴えを提起して、裁判による解決を図ることになります。
認知に関する問題は目黒総合法律事務所におまかせください
今回は、認知調停の定義やその手続の流れ、不成立になった場合の対処法について解説していきました。
目黒総合法律事務所では、認知に関する問題に詳しい弁護士が在籍しています。
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